ハーブの賢い活用術!美と健康を守る、食べるお薬
毎日のお料理にプラスするだけで、味も香りも本格的に! それだけではなく、健康面のアプローチやヒーリング効果にも優れている「ハーブ」。その素晴らしいパワーと、 食事に取り入れるための上手な活用法をご紹介していきます。
そもそも、「ハーブ」ってどんなもの?
野菜=元ハーブだった!?
暮らしと切り離せない天然の薬
「ハーブ」を一言で定義するのは、とても難しいことです。なぜなら国や地域によって薬草として食べられてきたものを、包括的に「ハーブ」と呼んでいるからです。 ハーブは古くから薬として使われてきました。ヨーロッパにはヨーロッパの植物、日本には大葉や山椒、ミョウガなどがあります。よって、世の中に ハーブと呼ばれるものは無数に存在しているといえます。
実は、私たちに身近なキャベツや玉ねぎなども、もとの姿は ハーブでした。野生で繁殖していたハーブを食べやすく生産できる形に改良したものが、「野菜」です。野菜を食べると体に良いというのは、もともとが薬だったからなのです。
ハーブの効能は素晴らしく、1990年代に発表された
ガンを予防する可能性のある食品リスト「デザイナーフーズプログラム」の中でも、第3群に多くのハーブがランクインしています。
”お守り”として愛された、
ハーブのパワー
人と共に生きて来た、ハーブの歴史と文化
ハーブは、古代から儀式に使われてきました。結婚式の「ブーケ」のはじまりは、厄除けのためにハーブを花束にしたもの。葬儀では、その香りの強さと持続性から“永遠の象徴”として捧げられ、 エジプトではミイラ作りの防腐剤としても活躍しました。インドの袈裟が鮮やかなオレンジ色なのは、虫除け効果のあるターメリックで着色しているためです。身近な植物であり、その強い防腐・防虫・抗菌作用を生活の中で実感していたからこそ、人々は“お守り”としてハーブを用いるようになりました。こうして、ハーブを生活の一部に取り入れたり、食べたり、薬にしたりする人類の文化が創られていったのです。
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ローズマリーの役割は、
「臭み取り」と「香り付け」ローズマリーの香りは、深みのあるキリッとした清涼感が特徴です。香りの元の成分であるピネンやシネオールには、消化促進や強壮効果、殺菌・抗酸化作用があり「若返りのハーブ」とも呼ばれています。 ラムやイワシ、サバなどの臭み消しや、チキンやジャガイモなどの淡白な素材の香り付けに適しています。加熱することでしっかりと香りが立ち、料理に奥行きが生まれます。
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パセリは、
ビタミンAの量がダントツ!パセリはカロテンが豊富で、ビタミンAの含有量が多い緑黄色野菜です。ビタミンAは抗酸化作用のあるビタミンで、紫外線によって発生した活性酸素を 消す働きや、粘膜を保護する働きがあります。おすすめの活用法は、みじん切りにしたものを乾燥させ、冷凍保存することです。スープやソテー、フライの衣などに混ぜ少量の油と一緒に摂ると、吸収効率が上がりおすすめです。
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大葉とバジルの香りには、
リラックス効果大葉とバジルは同じシソ科。どちらもリラックス効果のある爽やかな香気が特徴で、ビタミンAを多く含みます。大葉は代表的な日本のハーブで比較的安価なため、バジルとミックスしたジェノベーゼを作れば、たっぷりと召し上がれます。バジルは西洋ハーブとして有名で、ハーブティーにすると不眠症に効果があります。ただし子宮を収縮させる働きがあるため、妊婦さんは摂取しすぎないように注意が必要です。
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パクチーは、自由自在の
食べ合わせが魅力葉はパクチー、種はコリアンダーと呼ばれ、独特の個性的な香りを持つ植物です。ビタミンAとビタミンCが豊富で、抗酸化力に優れ免疫力を高めます。アジア、南米やペルー、中近東では、料理のトッピングにして食べるのが一般的で、タイのトムヤンクンやベトナムの生春巻きなどがポピュラー。その他、炒め物やフルーツサラダにも良く合い、刻んで冷凍保存することもできます
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目によし、肌によし!
ビタミンAの抗酸化力ビタミンAの特徴は、大きく分けて以下の3つです。
①紫外線によって発生した活性酸素を消去する
②角膜や粘膜を守り、目の健康を維持する
③喉や鼻の粘膜を守り、免疫力を高める
ビタミンAは肌や粘膜の健康をサポートし、目の健康や美容にもうれしい大事な栄養素です。強い抗酸化作用は、がん予防にも効果的。毎日の健康と美しさのために、ぜひいろいろなハーブをお食事に取り入れてみてください!
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鶏肉のハーブ揚げ
にんにく、酒、塩麹で2時間漬けた鶏肉に衣をつけ、ローズマリーを入れた油で一緒に揚げます
【材料】(4人分)※2人分は半分となります。
鶏肉 400g/ にんにくおろし 1片/ 酒 大さじ1/ 塩麹 大さじ3/ 小麦粉 適宜/ 片栗粉 適宜/ ローズマリー 適宜/ 菜種油 適宜/ レモン 適宜 -
あじの香りパン粉焼き
あじに塩、胡椒、小麦粉、卵の順につけたあと、みじん切りにしたパセリとチーズを混ぜたパン粉をまぶして焼く。
【材料】(2人分)
あじ 150g/ 塩 少々/ 胡椒 少々/ イタリアンパセリ 3g/ 粉チーズ 適宜/ パン粉 適宜/ 小麦粉 適宜/ 卵 適宜/ オリーオイル 大さじ1 -
フルーツとパクチーのエスニックサラダ
フルーツと砕いた唐辛子・アーモンド、塩もみし水にさらした玉ねぎをナンプラー+黒胡椒で和え、パクチーをオン。
【材料】(2人分)
パイナップル 200g/ グレープフルーツ 100g/ 玉ねぎ 50g/ 塩 少々/ アーモンド 10g/ パクチー 10g/ 唐辛子 1本/ ナンプラー 大さじ1/ 黒胡椒 適宜 -
大葉とバジルのジェノベーゼ
全ての材料をミキサーで撹拌してペースト状にし、パスタと絡めるだけのお手軽本格ジェノベーゼ!
【材料】(作りや水分量)
バジル 50g/ 大葉 50g/ くるみ 20g/ パルメザンチーズ 90g/ にんにく10g/ オリーブオイル150g/ 塩 5g/ 胡椒 少々(パスタ2人前に対しジェノベーゼソース100gがおすすめ)
メニューレシピ協力:デザイナーフーズ株式会社
食育記事 監修/ 管理栄養士 市野真理子
デザイナーフーズ株式会社 代表取締役社長。食品メーカー、コンビニ、スーパー等に対してセミナー、講演、商品企画開発、情報提供、栄養カウンセリング、衛生管理などのアドバイスを行う。2万5000件の野菜検体データベースを所有。
協力 ● デリカフーズホールディングス株式会社