アレアde食育

“キレイ”と“ヘルシー”をおすそ分け
してくれる野菜のフィトケミカル。

皆さん、近年注目を浴びている「フィトケミカル」をご存じでしょうか?野菜や果物などの植物が持つ化学物質のことで、抗酸化力や免疫力のアップなどを手助けしてくれるとしてさまざまなところでクローズアップされています。今回は、そんなフィトケミカルの持つ力や、上手な摂り入れ方についてご紹介します。


Phytochemical of Vegetables

“抗酸化力”が注目される
フィトケミカルパワー。

第7の栄養素として注目の成分!

フィトケミカルは、ギリシャ語で「植物」を表す「Phyto=フィト」と、英語で「化学」を意味する「Chemical=ケミカル」を組み合わせた言葉。野菜や果物など、植物に含まれている化学物質のことをいいます。このフィトケミカルは、たんぱく質や脂肪、炭水化物といった栄養素以外の成分。しかし抗酸化力や免疫力のアップなどさまざまな働きが期待できるとして、健康の維持・改善に役立つのではと期待され、近年研究が進められています。3大栄養素やビタミン、ミネラル、食物繊維に続く「第7の栄養素」なんて呼ばれ方もしている、いま注目の成分なのです。

私たち生物の体は、放っておくと
だんだん酸化していきます。

フィトケミカルが持つ働きの中でとくに注目したいのが抗酸化力。私たち生物の体というのは、鉄がサビるのと同じように、放っておくとだんだん酸化していきます。この酸化は老化やさまざまな病の元となり、がんや生活習慣病などにも影響を及ぼすと言われています。そんな美と健康の大敵である酸化を防ぐ力が、「抗酸化力」。抗酸化力は、酸化の原因である活性酸素を除去することで、若々しい体を維持するのに役立ってくれます。
フィトケミカルにはこの抗酸化力を持つものが多く、ミネラルやビタミンとともにフィトケミカルを摂り入れることで、アンチエイジングやさまざまな病気の予防も期待できるとして注目されているのです。

「ポリフェノール」もフィトケミカル?

赤ワインなどに多く含まれ、体に良い成分として知られるポリフェノールも、実はフィトケミカルの一種です。もちろん、活性酸素を除去する抗酸化力を持っています。またその他にも、大豆のイソフラボンやニンジンのカロテン、緑茶のカテキンなど、なんと約1500種類ものフィトケミカルが現在見つかっています(分子構造をもとに推測される種類はなんと1万種以上とも…)。
植物のほとんどが持っている成分であり、その種類も実に多種多様です。

自然界で植物が生きるための〝知恵〟

フィトケミカルは、厳しい自然界で非力な植物が生き延びるために授かった知恵です。植物は動物たちと違って、好ましい環境へ自ら移動する手段を持ちません。紫外線や風雨にさらされても、害虫が寄ってきても、その場所でなんとか生き延びなくてはならないのです。そこで生み出されたのが、動物とは異なる自己防衛能力。自分の身を守るために自ら作り出した香りや色素、苦み、渋み、辛みなどに含まれる機能性成分、フィトケミカルです。私たち人間は植物のようにフィトケミカルを体内で作ることはできませんが、野菜や果物を食べることによって、フィトケミカルが持つ抗酸化力や抗菌力などを得ることができます。植物が自らを守るために作り出した防御力を〝おすそ分け〟してもらうわけですね。このおすそ分けによって、アンチエイジングや生活習慣病予防を図れるのです。
ぜひ皆さんもこれを機に、日々の食事でフィトケミカルを意識した食材を取り入れてみませんか?熱に強い成分もあるので加熱調理もでき、煮込んだりしたスープには多くのフィトケミカルが溶け込んでいます。
ジュースやスムージーにするとたくさんの野菜を摂れますが、野菜は咀嚼をして食べることも大切なので覚えておいてくださいね(脳の活性化にもつながります)。また、フィトケミカルは野菜や果物の皮の部分に含まれていることが多いので、調理するときはできるだけ皮を剥かず、そのまま食べましょう。同じ野菜ばかりでなく、いろいろな種類・色に挑戦することも大切です。そして、抗酸化力などは体内に入って数時間しか効力が持続できないので、少なくとも毎食食べたいところ。ぜひ、健康で美しい毎日のために実践してみてくださいね。


毎日の食事にカラフルな野菜を!

いろんな色の野菜を食べれば、
いろんなうれしい効果が得られる

野菜の持つフィトケミカルについてお話してきましたが、毎日の食事で野菜を取り入れる際には、ぜひ“いろいろな色の野菜”を食べるようにしましょう。野菜には赤や緑、白などさまざまな色のものがありますが、それぞれの色は、それぞれの機能性成分を持っています。たとえば、トマトの「赤」はリコピン、大根やキャベツ、わさびの「白」はイソチオシアネート、モロヘイヤや明日葉、ほうれん草の「緑」はクロロフィル、ゴボウやジャガイモの「黒」はクロロゲン酸、ベリー類や黒豆の「紫」はアントシアニン、かぼちゃや人参の「橙」はプロビタミンAなど…。そのため、さまざまな色の野菜を組み合わせて食べることで、さまざまな種類の機能性成分を摂ることができ、バランスのよい食事につながるのです。量も大切ですが、ぜひ彩り豊かな食卓になるよう心掛けてみましょう。

アレアde食育 column

不安定の中にこそ“気づき”がある

自然界で生き抜いていくための植物の知恵「フィトケミカル」が今回のテーマでした。ここでは、そんな植物の力に学び、私たち人間にとってのストレスと脳や動きとの関係について、健康運動指導士の湊真里先生にお話を伺いました。

ストレスは悪いことばかりではない?

野菜などの植物が紫外線や外敵ストレスから自身を守るために自己防衛力を発揮しているという今回のお話は、私たち人間にも同じようなことが言えるのではないでしょうか? ストレス=健康の敵、病の元と考えている方も多いかと思いますが、ストレスがもたらすのは、なにも悪いことばかりではありません。
たとえば、動きに何らかの制約が掛かると、この制約をどう抑え、あるいはどう活かせばより良い動きができるだろうかと脳は考えます。1つの制約があることによって、脳が働き、 “気づき”を得ることができるのです。
心においても同じことが言えるでしょう。何か問題や悩みごとを抱えると、解決のために努力をしますね。「ピンチはチャンス」と昔からよく言われているように、失敗や問題ごとは人間を強くする良い機会なのです。

刺激やストレスが人間を成長させてくれる

植物が外の刺激から自らを守るためにフィトケミカルを作り出すのと同じように、私たち人間も、ある程度の刺激やストレスを受けることによって鍛えられ、防御力を強くし、学びや気づきを得ることで成長していけるのではないでしょうか。何かとストレスの多い現代ですが、そのストレスが自分を鍛える、パワーアップさせる種にもなるのだと知ると、少し前向きになれる気がしませんか?
自分の中の“フィトケミカルを生み出す力”を信じて、強く進化していきたいものですね。


協力 ● 花の集い・健康コンシェルジュの会

花の集い・健康コンシェルジュの会は、医学博士、保健学博士、薬剤師、医師、看護師、健康運動指導士、管理栄養士、フードコーディネーター、教育者など、人々の健康を指導してきたプロフェッショナルなプロジェクトです。未来の子供たちのためにも女性たちが健 康を考え、促進することが大切ということで発足されたチーム。ボランティア姿勢での企業とのコラボレーションなどで社会に健康と食育の大切さをアピールするコンセプトで、様々な企画を発信しています。セミナーやワークショップなどの会費や講師料は、現在復興協力として福島に桜の木を植樹し花を咲かす基金として活用しています。

保健学博士 山本 初子

物栄養専攻 修士課程修了、学習院女子短期大学家庭生活科をはじめとして、多くの大学・短期大学・専門学校の非常勤講師等を経て、実践女子短期大学の教授、桐生大学医療保健学部栄養学科教授を歴任。2000年保健学博士号取得。花の集い・健康コンシェ ルジュの会会員、IFF公認プラクティショナー、管理栄養士

保健学博士 山本 初子
健康運動指導士 湊 真里

1957年 静岡県生まれ、1979年 東京女子体育大学卒業、1988年 健康運動指導士資格修得、2000年 フェルデンクライスメソッド国際ライセンス取得
大学卒業後より有酸素運動時の質の良い動きについて研究。身体調整体操として集大成させ、本体操を創始。現在、指導者の養成に力を入れている。また、保健センターなどで健康教育の講師多数。

健康運動指導士 湊 真里

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